ヤスリの種類のご案内
■目のピッチ(細かさ)で探す
荒目→中目→細目(さいめ)→油目の順で細かくなります。ただしヤスリの長さ(呼び寸法)により、1インチ当たりの目の数が違ってきます。同じ「荒目」でも、ヤスリが短いほど目は細かく、長いほど目は粗くなります。
■目立てによるヤスリの違い
- 「単目」ヤスリ
一方向にのみ目が切られたヤスリです。軸線(ヤスリの縦方向の中心線)に対して60〜80度の傾きで目切りされています。
- 「鬼目」ヤスリ
いわゆる「おろし金(おろし器)」のように、尖った刃が立った目のヤスリや、それに類する目の形状のヤスリです。いかつい形状と異なり、柔らかい素材を削るのに適しています。
- 「複目」ヤスリ
交錯する2つの方向に目が切られたヤスリです。いわゆる「×」のような目になっており、先に切られた方を「下目」、後からを「上目」と呼びます。一般的に「上目」はヤスリの穂先(先頭・柄のない方)を正面にして左下がり、下目は右下がりに切ります。
両者には役割があり、上目は切削用、下目は切りくずを排出するためのものです。 なお、鉄工ヤスリは原則として「複目」です。
- 「波目」ヤスリ
一般的なヤスリは同じ方向に直線で、目が切りそろえられていますが、波目ヤスリは波紋のように「目立て」されたヤスリです。ヤスリの性質上「目立て」としましたが、実際には切削により「目を掘る」ことで形成されます。
目のピッチが広い(荒い)ことから、目詰まりが起こりにくく、塗料剥がしや、銅・アルミ素材において、作業効率の向上が期待できます。柔らかい素材を削るのに適しています
■形状によるヤスリの違い
- 「平」ヤスリ
一般的にイメージするヤスリはこのタイプでしょう。平たい形状で、多くのものが裏表あり、それぞれの「目」を変えています。「番手」と同義の「目」は、ヤスリの細かさで粗いほど大きく、大胆に削れ、細かいほど滑らかな仕上がりになります。
- 「角」ヤスリ
四角錐のヤスリです。「角」を使っての加工に用います。凹型の四隅の仕上げなどに適しています。
- 「三角」ヤスリ
三角錐のヤスリです。「角」より鋭角な作業に用います。
- 「丸」ヤスリ
円錐のヤスリです。曲面の加工、仕上げに用います。また筒状の内面磨き、仕上げにも利用します。
- 「半丸」ヤスリ
丸ヤスリと同様、曲面の仕上げに用いますが、より滑らかな曲面に適してます。ただし商品によっては、筒状の内面磨きに用いるほどシャープな曲線を描けるヤスリもあります。
- 「甲丸」ヤスリ
半丸ヤスリと同じです。どちらもプラモデルの細部の仕上げで重用されます。